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相談コーナー
ご相談いただいたメールのやり取りの内容を公開しています。他のみなさまにも役だてていただければと思います。

志望学部および今までの学歴、職歴
【志望学部】  East Asian Studies 日本近代史
【経歴】
○日本の高校卒業(1年間交換留学生)
○米国でInternational Marketing & Trade for the Fashion and the related industriesの学位(BS)を取得
○NYで1年間、東京で2年間、化粧品メーカーのマーケティング部で勤務
○ご家族の都合で、11月からNYへ転居予定。この機会に常々興味のあった、日本近代史を大学院で研究したい。L-2ビザで入国。

ご相談内容
@学部や職歴と全く違う分野で大学院進学(ドクターコース志望)ができるのでしょうか?大学では日本近代史はもちろん、アジアの関連分野のクラスは全くとっていないのです。ただし、心理学や社会学のクラスは合計6クラスほど、とっています。GPAは悪くはないのですが、いかんせん、ファッションの大学ですから、全然関係ないかも、と心配になってしまいます。その分、GREを頑張るしかない、とは思っていますが。いきなりドクターコースを志望する理由はマスターだと奨学金がもらえない、と聞いたからです。学費免除にしてもらわないと進学できない状況です。

A分野が違う教授からの推薦状で大丈夫でしょうか?以前いた大学で推薦状をかいてくれるような教授は全て、マーケティングの教授です。全然分野が違う教授からの推薦状で大丈夫でしょうか?

B受験に年齢は関係あるのでしょうか?実は今、30歳です。高校を卒業した後、家庭の事情ですぐには進学できませんでした。ある本によると、アカデミック系の大学院は、社会人を敬遠する傾向にあるそうです。もちろん、極端な例かと思いますが、一般的にはどうなのでしょうか?

回答
学部や職歴と全く違う分野で大学院進学
ご経歴を拝見させていただきましたが、このままでは正直厳しいと思います。 特にドクターに進む際には、応募条件で関連コースの履修がある学校が多いと思いますし。

ただ、ここで諦めてはいけません!

○なぜ日本近代史に興味を持つようになったのか?人間何の理由もなく何かを好きになるということはありません。自分の原体験の中で、何がその興味に結びついたのかを徹底的に掘り下げてください。その情熱が強ければ強いほど伝わる可能性はあります。現に私の場合にも直接的に関係のない学部・実務経験から大学院合格をたくさんいただきました(情報処理専攻→ITコンサル実務→国際教育学専攻大学院7校合格)。ポイントは、いかに小さなきっかけを掘り下げて、それを伝えるかという点だったと思います。

○次に、奨学金が出ないと進学できないのでドクターコース、という発想に関してですが、これは違うと思います。このような気持ちではたぶんどこも入れてくれないでしょう。この「日本近代史」の分野での学位を今後のキャリアに活かそうと思われているのでしょうか?そうであるならば、そのお仕事は本当にドクターが必要な仕事ですか?「昔から興味があったので勉強したい」ということであれば、コミュニティカレッジのコースを履修したり、外部オーディットで興味のあるコースのみ履修することも可能なはずです。

○さて、それでもどうしてもドクターという場合ですが、今は関連経歴がない場合、これから作るということはできます。特に2005年を目処にされているのであれば時間は十分にありますので、上記のようにコミュニティカレッジで関連単位をもらうなり、自分でリサーチをして、論文を書いてみたり。いろいろできることはあるはず。さらに、目をつけた大学の教授のところに頻繁に通ってみてください。同じNY圏内にいるというのは非常なメリットです。悩みを相談するなり、分野に関連する質問をするなり、自分の想いが伝われば応援してくれる可能性はかなり大きいです。

分野が違う教授からの推薦状
分野が違う教授からの推薦状が混じっていてもかまいませんが、やはり同じ分野の教授からもらうことは必須です。これは、「今から作る」人脈でかまいません。 できれば二人の教授と近しくなって、書いてもらうのがよいと思います。

受験に年齢は関係あるか
アカデミック系の大学院は社会人を敬遠する、というのはあまりないと思います。 ビジネス系などに比べると実務経験が必須ではない、というのならわかりますが。 大学院側としては、ある程度バラエティに富んだ学生を求めているはずなので、 逆に今まで違った経歴をどう今後に活かしていくかといった点がしっかりアピールできれば、むしろ社会人経験は有利だと思います(直接関係なさそうでも、強引に接点を作ります)。

もう一度、なぜ自分は日本近代史を勉強したいのか、どのようなキャリアにつなげたいのか、そのためにとりうるオプションはなにか、という点を考えてみることをおすすめします。その上で、○○だからダメなんじゃないか、○○がないから無理といった発想を捨て、「いかにすれば実現できるか?」「今ないものはこれから作る」といった前向きな考えで進まれると己ずと道は開けるかと思います。

最後に、私個人のお話ですが、「国際的に活躍できる人材を育てたい」という夢が あって、「国際教育」の分野で出願をしていました(国際機関への就職も視野に入れていたので)。が、今年前半にブラジルで経験した様々なこと、出会った人たちに刺激をうけ、このような人材を育てていく事業の基盤となるビジネスを思いついたのです。そうしたら、もうとてもいまさら大学院に戻って勉強するなんて考えられなくなりました。つまり、「学位」がキャリアにとって必須ではなくなったのですね。 大学からは奨学金もいただいていましたが、他の方にお譲りし、今は 起業準備で走り回っています。 そんなわけで、今は自分の時間を使って、国際派就職のウェブサイトを通して夢を持つ人の応援をしていますが、いつかこれを事業化して、プロとしてやっていきたいと思っています。 ほんとうに長くなって申し訳ありませんが、少しはお役にたてましたでしょうか? 心から応援しておりますので、頑張ってください。

お礼のうれしいお言葉をいただきました
「情熱をもって取り組めば、何事も道は開けるはずなのですよね。こんなに心のこもったアドバイスを人にしてもらうのは、初めてです。感激しました!本当にありがとうございました。大学院進学の件、もう一度よく考えてみます。」

 

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